吉田健一著「舌鼓ところどころ/私の食物誌」読了。

朝倉2号

2017年11月11日 21:24



吉田健一著「舌鼓ところどころ/私の食物誌」読了。

こいつは読むのに時間がかかりました~。

なにしろ一文が長い。

例えば「プリマス・ロックという種類の鶏」の章のある一文は次のとおり。

「そうでないこの頃の鶏は皮が付いていないことが多くてそれがあっても味も何もしないがプリマス・ロックは皮が厚くて焼いても揚げてもこんがりと上がって鳥類の皮の滋味を湛え、北京料理で家鴨の皮とその下の肉を薄く削いだものを煎餅の皮で包んで食べるのにそう劣るとも思えない。」

しかも、ほとんど改行しないし、

「尤(もっと)も」「併(しか)し」「或(ある)いは」など

普段使わない漢字を多用するし~。


吉田さんの食べ物に対する考え方や見方が参考になったし、

現在は失われた食べ物がたびたび登場して

そのころの食の豊かさを感じさせるし、

1950年代の公害問題、1970年代の転作問題など、

今でも通用する問題を食を通じて指摘していたりして、

なかなかおもしろい本でした。

読みづらいけどねw

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