干しいもを試作しました。

朝倉2号

2022年08月20日 20:00


 本日は地島応援団副団長、

 宗像市にある佐藤さんの事務所で干しいもの試作。


 使用したのは紅はるか、昨夜から水につけました。

 鍋には4リットルの水、蒸し器に芋を並べ、弱火で蒸します。



 弱火にしたのは「甘い干しいも」にしたいから。

 干しいもの甘さはデンプンが分解されて産生した

 麦芽糖の量によるものです。

 この分解を行うアミラーゼは

 65℃から80℃で働くということですので、

 その時間をできるだけ長く確保することで麦芽糖が増えて

 甘い干しいもになるはずなのです。


 蒸しあがりの判断はいもに楊枝を刺して行います。

 とりあえず2時間蒸して、

 丸干し用の小さないもを取り出しましたが、

 平干し用の大きないもは楊枝にちょっと抵抗があったので、

 さらに30分、追加で蒸しました。

 アミラーゼが働く温度帯は既に通過しているので、

 追加で蒸すときは強火です。



 30分追加して楊枝を刺すとスッと通ったので、

 蒸し工程はこれで終了。

 蒸しあがったいもは、まず、両端を切り落とし、

 包丁を芋に直角に当てこそげ落とす感じで皮をむきます。



 皮をむいたいもは、つき台(スライサー)で

 厚さ8ミリにスライスします。

 



 スライスしたいもは乾燥機で乾燥させます。

 どれくらい時間がかかるか不明なので、

 とりあえず50℃、6時間に設定。






 6時間では食感がいまいちでしたので、さらに1時間追加。

 乾燥工程を7時間で終了しました。




 <まとめ>

  ・ 圧力鍋で加熱したものに比べ甘さが増しており、

   弱火でじっくり加熱する方法は間違いない。

   ただ、平干しのねっとり感不足は

   火のとおり具合が甘かったのが原因と考えられる。

   水が沸騰するまでの時間を設定するなど、

   「じわじわ加熱」と「しっかり加熱」を両立させる

   火加減と水の量を確認する必要がある。

  ・ 丸干しが粉っぽくなった原因を特定する必要。

   丸干し用のいもは蒸し工程を2時間で終了したため、

   火の通し方が甘かった可能性があるが、

   追加過熱した平干し用のスライスが終了するまで

   むいたいもを室温で放置したので、

   その際に糊化したデンプンが老化した可能性も考えられる。   

  ・ スライスする際にいもが崩れ、

   商品化に耐えられないものが発生した。

   スライスする際のいもの方向が、

   切り落とした端からあてる「縦」がいいのか、

   それともいもの腹からあてる「横」がいいのか、検討が必要。

  ・ 乾燥機から取り出した直後は表面が乾燥していたが、

   すぐにラップでくるむと

   水分が表面に付着することがわかった。

   商品化する際は冷めるまで包装しない方がよいと思われる。

  ・ 今回は、蒸し工程に2時間半、乾燥工程に7時間、

   その他、準備や片づけを含めると11時間を要した。

   さらに冷めるまでにかかる時間を考えると、

   12時間以上かかるものと考えられる。

   夕方から乾燥機に入れ、朝、冷めてから取り出すなど、

   生活時刻にあわせたオペレーションに落とし込む必要。


 商品化まで、まだまだ長いなぁ。

 次は地島産さつまいもでの試作かな。

 できれば学生さんにも参加いただきたいですね。


 <追記>

  長崎県西海市で干しいもをつくっている

  株式会社大地のいのちの干しいもづくり動画が

  ものすごく参考になります。


   ※大地のいのち
    https://daichi-inochi.com/


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